ブログを開いて下さりありがとうございます。
本日は、ヘッジファンド時代(以下「a社」という)に9年間トレードした日経225先物オプション取引の売りについて書いていきます。最後までお読みただければ幸いです。
少し長いので、めんどくさい方は最後の「まとめ」だけでも読んで下さい!
オプション売りは儲かる?儲からない?
結論から言わせてもらうと、僕は儲からないと思っています。
オプション売りをやっているトレーダーに話を聞くと「オプション売りは儲かる」言う人が沢山います。もちろん、やり方によっては稼いでいる人も中にはいるかもしれませんが、経験から言わせてもらうと「これほど危険な金融商品はない」と言いたいくらいです。僕自身大きな損を経験しました。
下記は、実際に損をしたからこそ解るオプション売りが儲からないと思う理由を書かせていただきます。
相場が落ち着いてさえいれば簡単に稼げたが。。
僕がオプション売りを始めたのは2008年のリーマンショックの3か月前でした。a社に入社してすぐにオプション取引についての1ヶ月間の研修を受け、500万円の資金を割り振られてスタートしました。ノルマは毎月8%(40万円)、当時使っていた証券会社は松井証券です。
当時行っていたトレードは先物価格から最低1500円以上離れたところのコールとプットの売買をするクレジットスプレッドです。クレジットスプレッドとは、ある権利行使価格のオプションを売り、それよりもアウトポジションのオプションを買うという組み合わせのことを言います。
a社のルールでは、新規売りをした直後に必ず500円離れたアウトポジションを買うことになっていました(当時は行使価格は500円刻みだった)。こうすることで最大損失は50万円以内に抑えることができるからです。また、証拠金対策にもなります。
コール30500 1枚売り @50円
コール31000 1枚買い @20円
最大利益3万円 最大損失47万円プット27500 1枚売り @100
プット27000 1枚買い @60
最大利益4万円 最大損失45万円
年間11勝1敗でも負ける
結局、稼いでは飛ばし稼いでは飛ばしの繰り返しをして、年間成績が良くてトントンという結果になってしまいます。
損切りルールを決めてもダメ
新規売り単価から倍になったら損切りをしようしたこともありましたが、売り建てをした日から数日で先物価格が500円前後動くことはザラにあり、すぐに倍になってしまいます。ルールどおり損切りをした途端に逆に動いて、上記で書いたとおり何もしなくて良かったのにとなってしまいます。
損切りルールを決めてやる場合は天井や底値で売買しないとダメなので、オプション売りの特徴を生かせているとは言えません。。
さらに傷口を広げてしまう
損切りをした後に、少しでも損を取り返そうとさらにアウトのポジションを新規売りすることをよくやりました。それで取り返すこともありましたが、大きな変動相場だったときはさらなるアウトのポジションも攻められてしまい2重で損をすることがありました。
そうなるとノルマ3年分くらいの損を出してしまい、元本に戻るまで給料半分カットや全額カットなどされながら元本回復までコツコツ稼いでいました。
プット27500 売り10枚
プット27000 買い10枚 のポジションで200万円の損失プット26000 売り10枚@200円
プット25500 買い10枚@100円 のポジションを作って取返しを狙う。
最大利益100万円 最大損失400万円
このポジションまで損切りさせられ大損。。
まとめ
僕の経験を簡単に書かせていただきました。
オプション売りは
・相場が動かなくても稼げる
・予想とは反対に動いても、売り建てした行使価格にSQ値が届かなけば儲かる
・時間をお金に換える
などと言いますが、結局のところ、オプション売りだろうとなんだろうと、金融商品と言うものは相場観が当たらない限り儲けることができないと言うことです。
オプション売りは株や先物よりも稼ぎやすいとお考えの方は、今すぐその考えを辞めることをおすすめします。